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Poesy of the Week_♡ 花嫁

yokohama8のコピー 
ぼくの花嫁は花嫁衣装
あるいは
荒縄で編まれた袋のなかで
日付のない夜の歌を槌うつ
具体的にはくしゃみをする

ぼくの花嫁は花束を持たぬ
愛すれば暴発する拳銃をむしろ握る
墓石のあける朝
あした襲撃する花曇りの青の宇宙を
ぼくの花嫁は背泳ぎする

僕の花嫁は童話を憎む
彼女は今夜も焚書する
えいちくしょう えいアリス

アリスめらがめらめらと燃える
炎がページをめくるとき
涙でうたれた傍点も燃える
(中略)

ぼくの花嫁は気絶する
口づけと黒髪の水流に窒息して
あるいは正午
隣の貴婦人とのはじめての過失の挨拶
その苦しむべきお世辞のなかで
死の舌あたり
僕の花嫁は失神する
懸命に笑をこらえて卒倒する
(後略)
<花嫁 I   平出隆>

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今週の詩は、平出隆さんの「花嫁詩篇」の中の最初のI です。
デビュー作とありますが、いつ読んだのかさだかではありません。
けれども、この詩を読んだ時なぜか大好きだったフランスの監督ジャン・リュック・ゴダールの作品を思い出したことは覚えていますし、多分「勝手にしやがれ」の印象だったのだと思いますが、疾走していく言葉、軽快なそれでも暴発していくようなイメージが、快かった覚えもあります。

詩はじっくりと言葉をかみしめながら読んでいい詩もあり、言葉が凄まじいスピードで疾走していくのを、呆然と追いかけていくのがよい詩もあって、この「花嫁詩篇」は後者なのでしょうね。

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ジャン・リュック・ゴダール監督「中国女」から



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次回は3/9(金)です❤︎


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